最近、ちょっと困ったことがありました。
我が家のエコキュートが突然故障したのです。
父が10年前に購入し、それからほぼ毎日私たちに暖かいお風呂を提供してくれていたエコキュート。フル稼働していたからか、少し疲れてしまっていたのかもしれません。
エコキュートを利用している方はご存知かもしれませんが、簡単に説明すると日中タンクに水が溜まるとお風呂を沸かせるという仕組みです。それが、突然タンクに水がたまらなくなり、お風呂が沸かせなくなりました。いつもは満杯だったタンクのメモリ。故障中は1~2メモリを彷徨っていました。
我が家は5人家族。大学生で年頃の弟はなぜか出かける前にシャワーを浴びます。
やっとのことで溜まった2メモリ。弟がシャワーを浴びて1メモリに。
そして、帰宅した誰かがシャワーを浴びたらメモリは0に。
エコキュートが頑張って貯めてくれた2メモリも、2人入ればなくなってしまうのです。
そのため、故障中はお風呂に入るのは1日1人1回となりました。
メモリが0になった後、お風呂のスイッチを押しても、変化なし。
お風呂はもちろん沸きません。そして、シャワーをひねり出てくるのは、ぬるい水?お湯?
秋になり肌寒くなって来たのに、ぬるま湯しか浴びれませんでした。
週の初めに故障し、修理に来てもらえたのは日曜日。
約1週間の短い期間ですが、毎日お風呂を巡るケンカが起こりました。
「なぜ風呂がわかないんだ」「今日も風呂に入れないのか」「早く風呂を直してくれ」
そんなふうに日々、家族の不満は募っていったのです。
日本人の一般的な家庭であれば、お風呂にバスタブがあるのが当たり前。
シャワー派でなければ、大半の方がバスタブにお湯を張り、湯船を楽しむのではないでしょうか。当たり前に入れていたお風呂に入れないことが、こんなにも辛いとは。
仕事から帰って来た母が一言。
「またお風呂は入れないの?疲れたからお湯に浸かりたかったのにー」
お風呂に入るのは体を洗い、綺麗にするため。それが目的です。
でも、私たち湯船を愛する日本人にとって、お風呂はただ体を洗い、清めるという行為だけではなく、心地よさを与えてくれるものであり、リラックスできる空間なのだと思いました。
海外での生活を振り返ってみると、シャワーのみの生活をした経験を思い出しました。
私には湯船につかれない日々を過ごしたことが2度あります。
1度目はイギリス留学中。
イギリス留学中は、バスタブはあったけれど、シャワーしか浴びられない。
日本人の生徒をよく受け入れていたホストマザーが言いました。
「日本人はシャワーの時間が長い人が多いわね。」と。
バスルームのすぐ隣に私の部屋があったため、他の人がシャワーを使っているのがわかりました。ホストマザーのシャワータイムは約5分強。早すぎて驚きました。
シャワーしか浴びない人にとっては、お風呂は体を綺麗にするために入るもの。
のんびり過ごすという概念がないのではないかと考えました。
そして、2度目はバングラデシュ滞在中。
バングラデシュに関しては、水シャワーのみというかなり過酷な環境でした。
いくら気温が高くて暑いからといっても、体に大量の水を浴びるのは心臓がヒヤッとしました。でも慣れてしまえば、水シャワーも気持ちよく浴びられるようになります。
よく断水してしまい、そして水だからそんなに長い時間浴びられないこともあり、手早く体を洗うことを第一に考えていたのがバングラデシュでの入浴。
蛇口をひねれば温かいお湯が出るのは当たり前ではなく、ありがたいことなんだと気づけた良い経験です。
海外では一時的にシャワー生活を経験したこともありました。
今でもたまに時間がないときや、手早くお風呂を終わらせたいときはシャワーのみという日もあります。でも、毎日は続けられません。湯船にのんびりと浸かりたくなってしまうのです。
湯船は癒しを与えてくれます。だから私はお風呂が好きなんだと思いました。
なぜお風呂が好きなのか。エコキュートが壊れたので考えてみましたが。
とりあえず、エコキュートが壊れて気づいたことは、私や家族にとってお風呂は大切。
そして、私はお風呂が好きで、それは湯船でのんびりリラックスできるから。
これからますます冷え込む季節。
エコキュートも直ったので、お風呂タイムを充実させたいと思います。