紅茶のはなし。お気に入りの一杯を探すためのガイド。

紅茶 イラストFOOD

美味しい紅茶が飲みたいけど、どれを選んだらいいのかわからない。

そんな悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。

紅茶にはさまざなな種類があり、ブランドもたくさんあって迷ってしまいますよね。

今回はそんな方に向けて、基本的な紅茶の種類や厳選したおすすめのブランドを紹介したいと思います。

紅茶の種類やブランドがわかれば、ティータイムの楽しみも倍増。そして、大切な人へのギフトを選ぶときにも役立ちます。

いくつか紅茶を買ってみて、産地ごと、ブランドごとに飲み比べを愉しんでみたり。気分によって紅茶をセレクトしてみたり。ティータイムが充実したものになりますよね。

これを読めば、飲んでみたい紅茶が見つかるはず。そして、お気に入りの一杯を見つけるのに役立つ内容となっています。

紅茶の歴史 

イギリスで花開いた紅茶文化

皆さんは紅茶の歴史について知っていますか。知れば面白い紅茶の歴史を簡単に解説します。

紅茶といえば、イギリスで愛飲されているものというイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。紅茶の始まりは、お茶の発祥地の中国。中国を訪れたポルトガル人がお茶を持ち帰ったことで、ヨーロッパへと広まりました。そんな、ヨーロッパへと渡ったお茶は、イギリスで紅茶文化として花開きます。

1662年、ポルトガルの女王キャサリンが当時は貴重だった中国茶と砂糖を持って、イギリスのチャーチルズ2世のもとに嫁いだことをきっかけだそう。紅茶文化はもとは、貴族や上流階級の人たちが楽しめるものでした。しかし、産業革命を機に砂糖の大量生産などが行われたことで、家庭へと普及し、私たちの生活に欠かせない存在となっていったのです。

なぜ紅茶の生産地には南アジアが多いのか。それはインドやスリランカが昔イギリスの植民地だったことが関係しています。1823年、イギリス人が中国にしかないと思われていた茶樹がインドのアッサム地方に自生しているのを発見。インドは当時イギリスの植民地だったため、インド各地や現在のスリランカに大規模な茶園を作り、紅茶を大量生産したことが始まりです。これにより、イギリスの紅茶文化が発展しました。

紅茶の効能

紅茶を飲んで健康に!

イギリスで最初に紹介された紅茶は、ポスターや広告に紅茶があらゆる病気に効く飲み物だということが書き連ねられたそう。

実は紅茶にはタンニンやカフェイン、テアニンといった健康に良い成分が多く含まれているんです!

タンニンの一種である紅茶フラボノイドには抗酸化作用があり、生活習慣病やガンの予防に繋がると注目されています。テアニンはアミノ酸の一種で、茶に含まれる独特の成分。摂取すると脳にα波が発生、気持ちがリラックスして頭がすっきりするという効能があります。そして、カフェインは、ダイエットにも効果的。脂肪燃焼や新陳代謝の活性化など、女性に嬉しい作用があります。

紅茶を飲むことで、美容や健康にも効果があるのはとっても嬉しいですよね。

紅茶の種類

紅茶の歴史や嬉しい効能もわかったところで、紅茶の種類について紹介します。

紅茶の名前の多くが、紅茶が生産された地名に由来しています。同じ産地で育った茶葉でも、収穫時期によって風味が異なり、それぞれの個性を知ることで、好みの紅茶を見つけやすくなります。

紅茶が主に生産されているのはインドやスリランカといった南アジアに加え、中国やケニアが有名です。日本でも紅茶は生産されており、和紅茶として販売されています。現在は世界30カ国以上の地域で紅茶は生産されているそうです。

今回は世界三大銘茶を生産する3ヶ国、インド、スリランカ、中国の紅茶を紹介します。さらに、ブレンドティーとフレーバーティについても解説したいと思います。

インド

紅茶大国のインドは、産地や収穫時によって茶葉の味や香りが異なります。

アッサム

世界最大のお茶の産地アッサム。インドを代表する紅茶です。アッサムは世界有数の多雨地帯で高温多湿と、茶栽培に適した気候に恵まれた土地。

茶葉は重厚感のある甘みとコクのあるしっかりとした味が特徴です。味が濃厚なのでミルクティーにおすすめの紅茶です。アッサムの8割以上がCTC製法で作られ、流通しています。

アッサムの特質を生かすCTC製法の茶葉
C=Crush(押しつぶして)、T=Tear(引き裂いて)、C=Curl(丸める)の略。茶葉の形を残さず、丸い形に仕上げます。侵出が早く、水色も深くて濃くアッサムの特質が生かされた製法です。
ダージリン

世界三大銘茶のひとつのダージリン。紅茶に詳しくない方でも、名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。

ヒマラヤ山麓のダージリン地方で生産されている紅茶です。ダージリンは収穫の季節によってそれぞれ味が異なります。

  • 春に摘まれるファーストフラッシュは、爽やかで若々しい香り。繊細な味と香りなのでストレートで飲むのがベスト。
  • 初夏に摘まれるセカンドフラッシュは、「紅茶のシャンパン」といわれ、マスカットのような香りがあります。少し渋味を感じるため、ミルクティーにしても美味しくいただけます。
  • そして、秋に摘まれるオータムナルは、深みのある穏やかな味わい。しっかりとコクがあるため、ロイヤルミルクティーがおすすめです。
ニルギリ

スリランカに近い、インド南西部のニルギリで生産されている紅茶。柔らかでクセのないマイルドな味わいが特徴です。

スリランカ

スリランカは、インド半島の南東にある島国。イギリスの植民地時代にセイロン島と呼ばれていたことから、その名残で現在もスリランカ産の紅茶は’セイロンティー’と呼ばれています。

スリランカの温暖多雨な気候が茶葉の生産に適しているため、クセのない紅茶が特徴です。

ウバ

世界三大銘茶のひとつのウバ。ウバはスリランカの東側に位置します。

爽やかな香りと強い渋味が特徴。良質なものははスミレやスズランのような花のような香りに加え、刺激的な爽快感を放つメントールのような香りがある。ミルクティーに向いています。

ディンブラ

西側で生産される紅茶。味、香りのバランスが良く、毎日飲んでも飽きのこない紅茶です。

フルーティーな香りで渋味もなく爽やかな味です。紅茶が苦手な方にもおすすめの飲みやすい紅茶。

ヌワラエリア

スリランカの紅茶産地の中で最も標高が高い土地で生産されています。花のような甘く緑茶に似た香りを放ち、爽やかな渋みで柔らかなコクが特徴。

キャンディ

南部の古都キャンディは、スリランカで最初の茶園が作られた場所。渋みが少なく、クセもないため、ライトな口当たりで素直に美味しいと思える紅茶。

中国

紅茶発祥地の中国。中国紅茶は花や果物を思わせる香りが特徴です。香りが豊かな中国紅茶は、砂糖やミルクを入れず、ストレートで飲むのがおすすめです。

キームン(キーマン)

世界三大銘茶のひとつのキームン(キーマン)。上質なものはランやバラのようなエキゾチックで優雅な香り。普及品はスモーキーで濃厚な香りで、まろやかなコクがあるのが特徴です。品質によって等級に分けられ、それによって味わいも異なる紅茶。

ラプサンスーチョン

お茶の発祥地の福建省で作られています。茶葉を松の木でスモークするため、独特の燻煙香があります。スモーキーで強烈な香りは正露丸にも似ているそうで、好き嫌いが分かれるかも。濃厚な味わいは、スモークサーモンやチーズ、味の濃い中華料理に合います。

ブレンドティー

普段口にしている紅茶の多くが、紅茶メーカーが色々な茶葉を混ぜてオリジナルの味にしたブレンドティーです。’インド紅茶のアッサム’や’セイロン紅茶のウバ’などは、産地別のエリアティーと呼ばれます。一方で、「ブレックファスト」「アフターヌーン」といった紅茶は、紅茶メーカーが安定した味と品質を保つために、絶妙なバランスでブレンドしたもの。紅茶は農産物であるため、その年の気候などによって、出来や味にバラツキが生じるため、ブレンドティーが生まれました。それぞれのブランドによって、ブレンドのバリエーションは異なり、紅茶を飲むシチュエーションによって美味しく作られています。

イングリッシュ・ブレックファスト

紅茶が日常的に飲まれるイギリスで、朝食のミルクティーにぴったりな紅茶としてブレンドされたもの。イギリス人の多くの人が紅茶をミルクティーで飲んでいます。ミルクティーにしたときに、美味しさが引き立つように渋味を生かし、色も濃く出るのが特徴。

アフタヌーンティー

午後のひとときのティータイムを楽しむためにブレンドされた紅茶。スコーンやケーキなど甘いお菓子や軽食にあう、さらりとした味で、渋みが少ないのが特徴です。ストレートでもミルクティーでも美味しい紅茶です。

フレーバーティー

茶葉に花や果物の風味を加えたもの。爽やかなフルーツの風味を加えたものや、甘いキャラメル風味を加えたものなど、様々なバリエーションがあります。季節やシチュエーション、気分によって楽しめます。

アールグレイ

フレーバーティーの有名なものといえば、アールグレイ。爽やかな香りはミカン科の果物、ベルガモットで香りづけされたもの。ミルクティーやアイスティーに合うお茶です。ちなみに、名前の由来はイギリスのグレイ伯爵(アールは「伯爵」の意味)がお気に入りだった中国紅茶の味に似せて作られたことからきています。

以上が主な紅茶の種類です。今回紹介しただけでも12種類もあります。

ブレンドティーやフレーバーティーなどを含めると、紅茶の種類は何百といった数となります。

たくさんの紅茶の中から、好きな味を見つけるのは難しく感じるかもしれません。紅茶の味や風味を知るには、まずは飲んでみるのが一番。私も学生時代、紅茶専門の喫茶店でアルバイトをして、たくさんの紅茶を飲みました。たくさん紅茶を飲むうちに、自分好みの味や風味がわかり、紅茶選びもぐっと楽しくなります。まずは、今回紹介した紅茶の種類の中から、気になったものを一つ選んで飲んでみてくださいね。

おすすめの紅茶ブランド 4選

種類がわかると、飲んでみたい!という紅茶が一つは見つかるのではないでしょうか。

紅茶を買うなら、専門店で質の高いものを購入するのがおすすめです。

そこで今回は、世界の歴史ある老舗ブランドの中でも、私が何度も利用している、美味しいおすすめの紅茶ブランドを4つ紹介したいと思います。

TWININGS トワイニング

1706年にロンドンで創業。300年以上の歴史のあるイギリスの老舗ブランドです。紅茶といえば、アールグレイが好きという方も多いのではないでしょうか。お値段もお手頃でスーパーでも気軽に購入できるブランドです。

アールグレイ

ベルガモットのさわやかな香りが特徴。トワイニングを代表する人気のブレンドティー。

レディグレイ

アールグレイをベースにオレンジとレモン果皮を加えた華やかな香りと上品な味が特徴。イギリスのスーパーで購入して以来、トワイニングの中で一番好きなブレンドティーです。

FORTNUM&MASON フォートナム&メイソン

1707年創業。イギリス王室御用達の、総合高級食品ブランドです。茶葉の持ち味が十分に引き出された紅茶は、「味と香りの芸術品」といわれています。エリアティーからオリジナルブレンドティーまで幅広い種類の紅茶を扱っています。

ロイヤルブレンド

アッサムとセイロンのブレンドティー。

はちみつのような上品な香りと、まろやかな風味が特徴の紅茶。ストレートで美味しい紅茶です。

ブレックファスト

インド北東部で栽培された希少なアッサムのみを使用した、しっかりとした風味が特徴の紅茶。ミルクティーにおすすめ。

MARIAGE FRERES マリアージュフレール

1854年創業。フランスで最も古い紅茶専門店です。お茶や茶器など、優雅な世界観を持っており、「フランス流行茶芸術」と称えられています。華やかな花や果物のフレーバーティーを中心に、素晴らしい香りの紅茶を取り揃えています。

マルコポーロ

マリアージュフレールを代表する紅茶。チベットと中国の果物と花の香りが素晴らしい紅茶に、蜂蜜やヴァニラを思わせる優しい香りのフレーバーティー。

アールグレイフレンチブルー

フランス流のアールグレイ。ベルガモットのフルーティーな香りとブルーエ(矢車菊)の織りなす優雅で繊細な香りのお茶。

KUSMI TEA クスミティー

1867年にロシアで創業。ロシア革命でフランスへと渡った歴史ある紅茶ブランドです。色とりどりのオシャレなデザインのパッケージ。アールグレイなどのベーシックな紅茶から、スパイスがブレンドされた魅惑的な香りを持つ紅茶を扱っています。

アナスタシア

日本で一番人気の紅茶。ベルガモットとレモン、オレンジの柑橘系が香るアールグレイのフレーバーティー。

プリンス ウラディ ミル

ベルガモットの香りを纏うアールグレイにバニラ、柑橘類、スパイスをブレンドした紅茶。グレープフルーツ、オレンジ、ライムの酸味あるシトラスフルーツにシナモンとクローブがアクセントの魅惑的な風味。

以上がおすすめの紅茶ブランドです。

同じ産地の紅茶でも、ブランドによって香りや味が異なり、個性があります。

是非色々試して、お気に入りの一杯を見つけてみてくださいね。

Let’s have a lovely tea time!

紅茶への理解が深まり、飲んでみたい一杯が見つかったら嬉しいです。

購入した紅茶は一度開封したら、記載されている期限とは関係なく、3ヶ月以内に飲みきるのが理想です。

お気に入りの紅茶を見つけて、美味しく、楽しいティータイムを過ごしましょう!

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